Aloha “Home Acres” interview
Aloha の新たな側面がここにある。私達にそっと優しく語りかけてくれるような前作 Light Works の兄弟ともいえるべきアルバム Home Acres がその存在を明かされてから約1年たった今ついに到着した。今までのAlohaの作品から このアルバムを「彼らはより革新的なサウンドを追い求めようとしたが諦めてしまった結果なのか?」と困惑した人もいるかもしれない。だがそんな必要はいらない。事実、この "Home Acres" は今まで Polyvinyl レコードが世に送り出してきた作品の何よりもロックしているのだから。
元はといえば "Light Works" と "Home Acres" は同時に作られたアルバムなのである。本来は2枚組のアルバムとしてそれぞれ "Light" と "Heavy" というコンセプトを表す予定だったのだ。だがしかし、様々な理由が重なり先に "Light Works" のみが発表され、この "Home Acres" は 2010年の3月という、リリースに相応しいその日を待つことになった。この方法でのリリースは作品を駄目にさせるかもしれないと知りながらもボーカルの Tony Cavallario は我々リスナーがより濃厚になった音楽への熱意と本来のコンセプトをこのアルバムから汲み 取ってくれると期待している。それにしても、ここ数年の Aloha の作品の成 長ぶりを追うのは面白い。ミュージシャンとは子供を持つと結果的に落ち着いたサウンドしか作れないようになる傾向があるも のだが、Tony Cavallario に言わせると Aloha にはもう既に実験的な新しい方向へのはっきりとしたビジョンが見えており、その 中で彼らにしか生み出せない“究極の音楽”を見つける準備ができているのだ。

Q: "Light Works" はどこか悲しそうで儚かったのに対し "Home Acres" は明らかにアグレッシブですね。この2枚はまったく違った対極のサウンドに聞こえます。あなたは、ど ちらか片方の面に強く惹きつけられるということがあるのですか?それとも、気分によるものなのですか?
Tony: うん、実際に僕は気がつけばアコースティックな音楽に惹かれているんだ。作曲家 としても、歌手としても物事を気楽に構えて、聞いている人に歌詞が1番美しく聞こえるメロディを書きたい。これが出来ることは本当に ソングライターとしての喜びさ。同時に Aloha の音は全てバンドのメンバー全員からできている。そうやって寄せ集めた音をポップソングと いう形に整えていくんだ。だから僕にとってその作業は毎回挑戦でもある。その作業から解放された時はどちらか片方の面に惹きつけられ るというよりも、満足感でしかないよ。 でも Light Works は僕 にとって特別なものなんだ。自分の子供がもうすぐ産まれるという人生において実に興味深い不思議な時の作品だからね。本当 に自分をもう一度見つめ直す時だったよ。自分が今30代だということにも真剣に考えたりもした。そんな中での作品だから、これは本 当に何よりも個人的なアルバムなのさ。
Q:あなたの口から、家庭に落ち着くことにより、今までと全く違う柔らかな人間になれると いう話が聞けるなんて面白いですね。
Tony: あはは、本当にそうだ (笑) でもね、僕は子供をもつということはもう一度自分を見つけ出すことだと感じている。この世界において何が良くて 何が悪いのかといったことを考え直さなきゃいけない。本当に僕の価値観に影響したよ。だって突然、僕の世界が自分だけのものじゃなく なり、子供のものにもなったのだから。僕たちは年をとるにつれて自分の人生を放棄して、淡々と生きながら「もう自分はパン クロッカーじゃないんだ。でも、普通の人生をしっかり生きている1人の男じゃないか」と考えることができる。そして子供を守ろうと周りに要塞を築くようになるん だ。彼らが大きくなった時にどんな世界に住んでほしいだろうって考えながらね。こうすることによって僕たちは再び自分と世界との関 わりを取り戻せるのだと思う。この気付きの後今の時代のオバマ政権や不況といった泥沼のような状態がぴったりとかみ合って 見えてきた。子供は僕にとって、社会や政治への新しい見解を目覚めさせてくれたよ。
Q:あなたが話す世界との関わりといったテーマはアルバムの中でどのように表されているのですか?
Tonu: "Home Acre" については本当に何も意図せずできたものなんだ。バラバラに壊れていくものを想像して、ならそれはどんな風に壊れるのだろうかと思っ た。例えば、アメリカは衰退しつつあるように見えるけれど、まだまだギルドがあった時代のように繁栄し続けていると、アメリカ人全員が当たり前のように思っている。ギルドなんて今では残っていないのにね。そんなことを想像していたんだ。僕は曲を書く 時、無駄なものをはぎとって、一体なにが結果として残るのだろうと考えるんだよ。ただの妄想かもしれないのだけど、これって Gene Cussler というライターによる石油が無くなってしまった後の世界の話を読んだ時に似ているんだ。彼は基本的にアメリカ、そし て世界の石油への懸念はただのブームでしかなく異質なものの集まりと捉えていて、化石燃料が枯渇しようがそれは一時的な問題なのです ぐに僕たちは順応して生活に戻るだろうとあった。だから、世の中には結果に直接関係するものなんてないんだ。結局、僕がアルバムのテーマについて考えている時に頭の中に浮かぶのはこういったことなのさ。僕は曲を書く時、普段の自分とは違った暗い 性格が顕著にでてくるようなんだ。特にこのアルバムを作っている時、それも完成に近づくにつれてそうなって行った。そして曲を書き続けると いうことは僕自身の悪魔を追い払う方法だと確信している。だから愛する子供がいるという幸せを手にいれているにも関わらず、僕 は未だに夜にスタジオに足を運んではこの世界から消し去られるもの達のことについて思いを巡らせるんだよ。
Q: 音楽面ではどうですか?より攻撃的な音になり、ギターが押し出されたサウンドとなっ ていますよね。それは何を表しているのでしょう?
Tony: いくつかの曲は Some Echoes の反動かもしれないね。あのアルバムはヴィンテージな音を落とし込もうとして作ったから。僕たちみんなたくさんのクラウトロッ クや60年代の音楽を聞いていたんだ。座り込んで、新しい曲を作ろうとした時、何も決まっていないまっさらな状態のものが欲しく て、僕はジャズマスターのギターを持ち、ペダルをいじっていた高校生の頃のような気持ちに戻りたかった。そしてただ、オ ルタナティブロックとインディロックにクラシックなトーンをつ音について考えていた。どんなジャンルにも表しにくい音をね。 同時に意図的にしたこともある。Cale(ドラム)もソロで同じこ とを言っていたと思うのだけれど、スタジオの中に座り込んで曲を書いていると、コード進行やミッドテンポにするべきか 110BPMにするべきだろ うと悩んでしまうんだ。だから、フェイクのドラムトラックを用意して速度を上げながら演奏するようにした。コード進行も少しずつ変 えながらね。こうすることによって、このアルバムはアップビートな音楽になったんだよ。良質のミッドテンポな曲、もしくはよりテン ポの遅い曲を作るほうが簡単だと思っている。何年にも渡ってソングライターというものはそんな曲達に恋をしてきたのさ。でもそういう 曲達はとても抽象的なんだ。というのも、「ほら、コーラス中にこのシンセサイザーをうねらせよう。空っぽだけれどもイイ感じになる ぞ。」と言う様な。今、音楽をダウンロードして聞く人の90%はその曲をダウンロードしたきり1回しか聞かない。そんな人達は 100回以上繰り返して聞かない限り、曲の背景なんて考えもしないんだよ。
Q: そのような悲しい事実はあなたを失望させた りしませんか?
Tony: 僕にとっては大したことじゃ ないよ。なぜなら、僕たち Aloha は幸せなことに音楽の背景を読みとってくれるしっかりとしたファンに支えられているからね。ファンも、批評家達も僕たちが裏にこめた思いをわかってくれて、他の人に伝えてくれるんだ。そうすることによってまた彼らもより深く作品を理 解してくれる。今、世界には僕達のようにレーダーの下での安全飛行というような素晴らしい気持ちを味わえているバンドが少ないと思 う。つまり、少なくとも偉大な曲ができない限り、他の人たちは目にもとめてくれないってことさ。時々聞いた瞬間に人々を惹き付けられるものを作りたい と思うんだ。「あなたの中で1番の曲は何?」って人によく聞かれるのだけど Aloha に限っては「えーっと、Aloha の曲は全部良いよ。だから、全部聞いてくれないかな。」って答えるしかないんだよね(笑) 誰もが気にいる究極の演奏を手に入れられたら素晴らし いだろうな(笑)
Q: (笑) 音楽の在り方が変わっていき良いと されるものが続々と世にでてきている今、私はあなたをこの重大な変革期に信頼できるアーティストの数少ない1人だと聞いて いました。
Tony: 確かに、音楽の在り方は変 わってきている。だけどこれって、音楽が民主化された結果だと思うな。今じゃ、誰でもインターネットを通じて友達に好きなアルバムを 送りつけることができる。受け取った友達は別の友達へ送ることもできる。 また、誰もが自分が良いと感じた曲をブログで紹介できるよね。今、 音楽業界において、宣伝の為にお金を積み上げられた雑誌だけが情報を集める手段だった時代はもう終わったんだ。こういう変化はいつ も平凡なところからはじまるんだよ。
Q: アルバムリリースを終えた2010年、今 後どのような活動をするのか教えてください。
Tony: そうだね、Home Acres を3月にリリースしたあと、South By Southwest に出演すると思う。若手バンドが出演した方が面白いフェスだからま だ予定なのだけれど。でも、そこで演奏するのはまだまだ僕らにとっても楽しいはずさ。そして4月にはアメリカの半分をまわるツアー にでて・・・後は・・そうだな・・・きっと、Home Acres の楽曲のビデオを作る。 未だにメンバー全員のシーンを撮り終えてないんだよ。少し予定よりも遅れていると言えるね。 でもやり終え て、僕達がライブをしているシーンのドキュメントもどこかで撮りたいな。Daniel Danger によって描かれたアルバムのジャケットになっている家は、本当に存在するんだ。だから、ビ デオの中にそこで演奏しているシーンを入れたいと思っている。間違いなく良いものになるよ。でも Cale はソロがうまくいっているみたいだし、T.J は今年、他の音楽プロジェクトにエンジニアとして関わっているからどうだろうな。今年の末までには Home Acres を作っていた2010年から出来ていた数曲をみんなで集まって新曲として完成させるつもりなんだけど。だから間違いなくその時までにはこれから何が起こるかわかると 思うよ。
訳: Emoyama
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USインディーバンドの新しき良心 "ALOHA" が遂に新作を発売!現存のポストロックやエモ、ギターポップなどで括られない独自の音楽性を進化させ続けるALOHAの2006年 Light Works(ライト・ワークス)以来、久しぶりに届いた新作です!メンバー4人の個性がぶつかり合うライブを、過去2回の来日においても見せてくれました。2006年の京都の音楽フェスティバル「ボロフェスタ」のメインステージでの演奏を含め、日本全国を回ったツアーにより、多くの新しいファンを獲得しています。2008年の初頭には発売予定だったアルバム発売が延びに延び、新作を待ち焦がれているファンにとっては嬉しいリリースです。待っていた甲斐のある ALOHA 節が満載の素晴らしい作品です。
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