Story >> Generationals >> Actor-Caster
猛暑の中1ヶ月間DCの地下スタジオで制作された Generationals のセカンドアルバム「Actor-Caster」。「DCの夏は本当に酷い。熱が発散し「外は良い天気だったけど、僕らはずっと地下室にいたんだ」。歌詞に憂鬱・陰気さが漂うのはそのせいだろう。同じくボーカル・その他楽器の Grant Widmer(グラント)が電話に出ない事を歌った「Goose & Dirty」。笑顔の後の嘲笑。背後でナイフを振り回している様。バンドのサウンドからは夏らしさが聴こえる。「Greenleaf」の繰り返すピアノ、「Ten-Twenty-Ten」そして「You Say It Too」の疾走感。
しかし60年代ぽくは全く無い。今現在と、温かいクラシックポップが混ざり合う。「アナログ機械とテープ、昔の様に録音するのが大切なんだ」とグラント。「だけど、その頃には無かったエレクトロの要素も沢山入っている。それが僕らの音だ」。彼の言うエレクトロとは、「Yours Forever」の揺らめくシンセサイザーや「Black and White」の孤立したキーボードと引き裂かれたドラムループなどの事だ。タイムマシーンで時代を行き来した様な音のデビューアルバム「Con Law」を思えば、どちらも変わった事ではない。
「Actor-Caster」でも同じプロデューサーを迎え(Daniel Black)、擦り切れたレコードの山の様な作品を作った。(熱いホーンと天国から降りてきたハーモニーの「When They Fight They Fight」、蛇の様にうねるベースとぴったりしたビートの「Bobby Beale」など)。テッドとグラントは13歳からの親友だ。初めてのギターでビートルズを弾こうとしていた頃から。それからというもの、ニューオーリンズ出身の二人はアパート、仕事、学校、そしてステージ、色々な事を一緒にやってきた。今では、相手の文を終わらせる事が出来るまでになった。
「アイデアが出てきたら、お互いが何をしたいのか完璧に分かるんだ。アルバムでそれが聴こえると思うよ」とテッド。「Black and White のギターコードをグラントに聴かせたら、すぐにピアノでそれを弾いて音が出来ちゃった。もうギターはいらないなと思ったよ。くどくなっちゃうからね」。
ほのぼのとして無邪気なソングライティングに DIY なインディポップ・センスと、60'sモータウンな雰囲気のソウルフルなグルーヴと、サイケ・ポップなアナログ・シンセのレトロな粒子の粗い音像が奏でる、どこか懐かしくて心温まる、チープだけどハートフルなダンサブル・ポップ・チューン満載。日本盤のために作成されたスペシャルな5曲がボーナストラックとして収録!!